税務上の電子帳簿保存法について

当社では、電子帳簿保存法に基づいた記帳代行をサービスとして組み込む予定でいます。しかしながら、電子帳簿保存法をクリアする内部統制の構築は意外に難しいのではないか、というのが現時点での見解です。

 

電子帳簿保存法は確かに例年改正されており、今年の9月30日の承認申請以降は営業職員がスマホで撮影した領収書を「税法上、費用として認められる証憑」とできるようになります。

一見非常に楽になるように見える(要は経理職員は電子データで送られてくる証憑を見ながら仕訳を切るだけでよい)のですが、この方法を導入するためには社内で以下の対応が必要となります。すなわち

 

① 営業職員が領収書入手後、必ず「3日以内に」スマホ等で撮影した領収書データに署名しタイムスタンプを押すこと

② 社内に上記のプロセスを具体化した適正事務処理要件(つまりルール)を規定すること

 

この二つが必ず必要になります。

 ①は人数がすくなければルール化さえすればよく、②はクラウド会計ソフトのfreeeさんを利用すれば無料でもらえるので、小規模会社では導入しやすいのですが、税務署と何度かコンタクトをとってみた感じですと、明言はされないものの「電子帳簿保存法は書類整理が大変な大手向けのルールです」といったニュアンスでコメントをいただきます。

 確かに書類整理にもそれほど時間がかからないであろう小規模会社では、書類の保管コストもそれほど必要ないのではないかと想定され、そもそも電子帳簿保存法対応はあまり必要ないのかもしれません。では本当に必要な大手ではどうかというと、おそらくは多数の営業職員を抱えている状況を考えると、3日以内の電子化というのが枷となり、①の運用徹底には非常に時間がかかるのではないかと思われます。

 確かに便利ではあるのですが、印象としてはルールは小規模向け、ターゲットは大手という感じで、普及のスピード感は現状のところ疑問に感じているところです。せめて電子化15日以内とかですと楽なんですけどね。

 

 なお、今記載した内容はあくまで証憑(領収書等)の電子化を「受領者」(営業職員)が行う事を前提としているので、別に「経理」で電子化したり、電子化を「外注」したりする分には、電子化には受領後1カ月の猶予が与えられます。個人的にはこちらの運用の方が大企業にはマッチしているように感じます。

 大企業で「受領者がスマホで撮影して3日以内に電子化」を利用するのにマッチするのは、例えば、外回りが多くあまり営業職が事務所に戻らない保険会社や、それこそ会計士、コンサルなどの個人事業主に半分足を突っ込んだ事業になるのではないでしょうか。

 

色々と見解を述べましたが、私は電子帳簿化、そして会計システムのクラウド化はどんどんやっちゃえ!という気持ちですので、自分のサービスにも組み込んでいますし、もし電子化したいという大企業がいれば、もちろんサポートさせていただきます。

 

www.k-m-partners.com