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ベンチャー企業に気を付けてほしい事-役員報酬について

役員報酬の法人税法上の処理については世の中に情報があふれていますが、それでもなおベンチャー企業の経営者が陥りやすく、またリスクの大きい項目が役員報酬です。

 

ベンチャー企業の経営者のモチベーションは様々ありますし、個々人のパーソナリティによっても変わるところはありますが、さりとて儲け度外視でベンチャー企業を立ち上げる方はそう多くはないのではないでしょうか?

やはり自分の立ち上げたサービスが軌道に乗って、会社が儲かるようになれば自分の報酬もどんどん増やしていきたいものです。資金的・人的にリスクを取っているから当たり前ですよね。

ただ、この役員報酬には大きな落とし穴があります。というのは、ある条件を満たさないと税金計算上の費用にすることはできないんですね。このある条件というのが曲者です。

 

〇 ある条件とは?とにかく定期同額を貫こう!

結論から申し上げると、役員報酬は以下のように運用するのが最も簡単で、最も費用にしやすい方法です。ここは必ずおさえておきましょう。

・設立後 3か月以内に株主総会で報酬を決め、以降は毎月同額を支払う事!

・設立年度以降は、株主総会で月額報酬を更新して、これまた毎月同額を支払う事!

 

とにかく株主総会で報酬を決めて、その後は毎月同額を支払う(定期同額)、というのが全てです。

 

〇趣旨をおさえよう。定期同額とする理由とは?

税法はこまごましていて、個人的にも見るのが嫌になるレベルですが、全ての税法には立法趣旨があります。

ここで定期同額とすべき理由は何かというと、要は役員報酬を租税回避手段にされないこと、の一言につきます。

役員報酬を期中に自由に変更できてしまうとなると、例えば当期は100円利益が出たから役員報酬も100円にしよう!という意思決定ができてしまいます。これが税法上の費用として認められてしまうと、法人税の課税対象となる利益を自由になくしてしまう事が可能となってしまいます。

一方、役員報酬は役員が会社を儲けさせるために努力した成果ですので、この全額を会社の費用に出来ないというのはさすがに乱暴です。この点、事前に決定した方針に基づいて毎月定額を支払っていれば、先ほどのような租税回避は不可能です。そのため、定期同額のケースでは役員報酬を費用にできるわけですね。

 

定期同額のほか、役員報酬を費用にする方法は「税務署に事前確定届出をする方法」、「利益連動とする方法」がありますが、一見一番よさそうに見える「利益連動とする方法」も同族会社(株主が少なかったり、独占していたりする会社)では不可能で、通常ベンチャー企業では導入不可能なケースがほとんどなので、まず「役員報酬は毎月同じ額を支払う」という事を、設立直後から意識してください。